以前 サミーを病気で死なせてしまった時、私はただ泣くしか出来なかった。 埋めてやることも出来ず、母に頼んだ。死後ずっと『 サミーを返して! 』と 空へ向かって叫んでいるような毎日が続いた。17歳くらいのことだ。 病気にも気づいてやれなかった。サミーがどんな行動範囲を取るかも知らない。 食べ物にも気を使えなかった。何も出来なかった。野良猫は自分で 生きていく術を知っている、干渉しないという呑気な状態だったのに。 亡くしてみて初めて その存在の大きさに潰されてしまいそうになった。 哀しい時 泪を舐めて拭いてくれる猫には、もう、一生逢えないだろう。 しーにゃはよく怪我をした。最初の怪我は生まれて2年目、耳に穴が空く傷が 残る程の傷。よそのオスに噛まれたのだろうか? 次は3年目の夏、 後ろ足をひどく怪我した。これも逃げる時追いかけられて 噛みつかれたのか? そして冬、しーにゃの目がおかしい事に気づく。最初はまた、ケンカして 目をやられたのかのかと思った。でもなかなか治らない。 人間の眼病用の目薬を射すが治らない。サミーを死なせてしまった記憶が蘇る。 今自分は大人で、病院へ連れていける。猫がいやがっても連れて行くべきだ。 しーにゃは、猫風邪にかかっていて、目はそれからくる結膜炎だった。 シロップのくすりを飲ませたり、目薬をさしたり世話をして風邪は良くなった。 でもしーにゃは、ご近所の農家の納屋で 古トラ婆ちゃん猫から生まれた 野良猫。生まれて3年目で家猫へ切り替えることは無理だった。 トイレも小さい頃から教えていないと外でしかできない。 散歩用のヒモをつけて外へ出すと、土を楽しみトイレをした。どうしても 外へ行きたいとせがみ、風邪の治ったころ 発情期と重なり 恋の歌を唄いながら、しーにゃは旅に出てしまった。 ビュー・ビューはどこからともなく現れた。でもご近所の猫はみんな長い尻尾。 ビュー・ビューのは Lの字型で短い。どの子かわからない。 近所で仔猫が生まれると大体生後半年以上過ぎるまで 母猫と一緒か、兄弟で行動している。でも、ビュー・ビューは 生後3〜4ヶ月くらいで ひとりぼっちだった。 仲良くなれたけど、私には思い違いがあった。外にいた猫は外の自由を 知っていて家猫にはなれない。だから、仔猫のビュー・ビューも 普段は外へ出していた。でも、今思い返せば、あの子はゴハンを ちょうだいと外から鳴いて呼んでいるのではなく、『お母さん、お母さん』と いつも叫んでいたようだった。外へ出たいとは言っていなかったと思う。 今、あの子が突然の事故死で天へ召されて 反省してみると そう 思う。あの子は朝起きて、軽くゴハンを食べトイレを済ませたあと 私の膝の上にいつも暫くは座っていた。寒かったのか。 そしていつもその時、ボーッと私の顔を見上げて見つめていた。 何を考えていたんだろうか? あのうつろな寝ぼけまなこをまだ思い出す。 色んな猫に出逢って 色んな事を教えられた気がする。 沢山の猫たち、 有り難う。 生まれ変わったら また、巡り合えるといいなと思う。 |
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